今回は不動産鑑定士試験を受験することに対するネガティブな意見についてです。
ネットで不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士試験と検索すると、必ずといっていいほど、「やめとけ」や「稼げない」といったネガティブな意見を目にします。
どういった方がこのような事を書き込むのかは分かりませんが、今回はこの点について考察していきます。
まずこのような意見が出てくる背景には鑑定業界の以下のような特徴があると考えます。
1.個人事務所や少人数の鑑定士でやっている会社だと(給料が安い割に)仕事量が多い
2.独立しても(じっとしてたら)仕事がない
今回は長くなるため、1.と2.について2回に分けて記載します。
まず1.についてですが、不動産鑑定士の試験に合格すると、日本不動産鑑定士協会連合会が国土交通省から委託を受けて実施する実務修習という研修を受けなければ不動産鑑定士になれません。そしてこの実務修習を受ける際にはどこかの鑑定会社や鑑定事務所に所属して受けることが一般的です。
私もこの研修を受けましたが(昔は今と若干制度が違っていました)、そこで全国の合格者と一緒に研修を受けることになります。当然その研修中にいろんな鑑定会社、鑑定事務所に所属する方々と話をするのですが、少人数でやっている鑑定会社に所属する方々から、業務量が多くて常に忙しいという話をよく耳にしました(ちなみに給料が安いかどうかは聞いていません)。大手鑑定事務所に所属する方々は、担当する案件が極端に多いわけではないけれども、重い(難しい、手のかかる)案件が多いらしく、それはそれで忙しそうでした。
個人事務所や少人数でやっている鑑定会社で、かつ人を採用できるくらいの売上があるところは、比較的安い単価で多くの評価をこなしているところも多いのでこのようなことがあるのかもしれませんが、如何せん研修に来ている人達は鑑定士の卵であるため、そこで多くの案件をこなしておくのは決して無駄なことではないと今では思います。
またそのような会社で働いてた方達も今では転職(金融機関や不動産投資の運用会社が多いです)しており、みなさんそれなりに稼いでいます。
そのため、仮に(給料が安い❇こればかりは実際のところ分かりませんが)仕事量の多い鑑定事務所や鑑定会社に勤務したとしても、それはあくまで鑑定士なるための修業期間と考えればよいのではないでしょうか。