最近は私がいる不動産業界に限らずどこの業界も人材の流動化が進んでいると思いますが、近年は社内でも社員の転職が多くなっています。当然逆もしかりで、他社からの転職も多く、新卒で入った会社に定年まで勤めることの方が少なくなっているのではないかと感じます。
私は不動産業界に身を置いていますが、私のいる部署はどちらかというと、売買・賃貸仲介や管理、開発などの従来からの不動産業ではなく、不動産金融業に近いことをやっています。不動産金融とは不動産の証券化(流動化)と呼ばれる不動産と金融を組み合わせたビジネスで、ファンドによる不動産取得、管理、売却、取得時の物件のデューデリジェンスなどがあります。不動産のファンドが相当数立ち上がっている現状ではそれに従事する人も多く、どこも人手不足のようで社内からも多数の人間がAM(アセットマネジメント)と呼ばれる職種に転職していきます。
つい最近も5-6年勤めた30代半ばの社員がAMに転職するとのことで挨拶にきました。転職時は転職エージェントに依頼して転職活動を行ったようですが、あっという間に転職が決まったとのこと。人づてに聞いたところ、年収も現在の1.2-1.3倍程度(1,000万円は優に超える水準です)になるようでした。世間一般的には転職前の年収もそれほど悪くない、むしろ高い方だったと思いますので(正確な額はわかりませんが)、そこから1.2-1.3倍なら転職が多いのもうなずけます。
これまで不動産を取り扱っていなかった鉄道会社や電力会社、ガス会社等も次々と不動産証券化市場に参入してきており、ファンドの数は増加していますので、今後業界内での人材の獲得競争は厳しくなっていくことが考えられます。