今回は鑑定士試験の受験勉強と直結するものではありませんが、最近の世の中の流れをみて、私が普段感じていることを記載します。
私が以前金融機関で勤務していた頃は、今のように残業規制が厳しくなかったため、みなさん相当に働いていました。私は学卒で新入社員として働いていたため、しばらくは定時であがらせてもらっていましたが、当時は自分のデスクから見える別部署の方々が、徹夜で仕事をされているのを見ていました。私が朝出社して、しばらくするとその部署の方々が一時帰宅して、また昼過ぎには会社に戻ってくるのです。
私自身もしばらくすると、繁忙期には徹夜まではいきませんが、終電で帰れずタクシーで帰るという経験を何度かしました。
今振り返って、当時は業務効率が悪かった点もありましたが、一つの課題に対して、あーでもない、こーでもないと試行錯誤しながら、色々と調べものをしながら、時には専門書を購入して読み込みながら、そして、上司、先輩と議論しながら仕事を進めていました。途中まで進めても、先輩、上司に突き返されて、このやり方ではダメだなと学ぶ、そのトライ&エラーを繰り返して今の自分の仕事の型が出来上がりました。そのため、その時の経験は間違いなく自分の成長につながっていましたし、決して無駄なことではなかったと今でも思います。
今は残業時間に対する規制も厳しいですし、少ない時間で如何に成果をあげるかが重視されるようになりました。確かに日本は海外の国に比べ生産性が低いですし、これを効率化といえばそうなのですが、以前は許されていた試行錯誤、調べもの、議論のステップが、今では無駄なこととみなされているように思えてなりません。
私はこの試行錯誤等の過程が自己成長の機会だと考えていますので、これが制約されるのは成長の機会が失われていると感じるのです。ある書籍での言葉を借りるなら、トライ&エラーの過程を無駄とみなすなら成長はない、ということになります。
したがって、今後は会社外で自分から成長の機会をつかみにいかなければ、成長は難しい時代になった、すなわち、成長はより自己責任の時代になったと言えます。
ただモチベーションの高い人達にとっては、いい時代になったとも言えます。なぜなら、自己成長に貪欲な人とそうでない人の差がこれまで以上につくからです。
朝の時間、通勤前の喫茶店では自己投資(勉強)をしているビジネスパーソンが多くいます。モチベーションの高い人達は人知れず自己研鑽しています。この毎朝の30分~1時間の自己投資が積み上がって、他人との差を生むのです。
もし今所属する業務上のコミュニティ、大半の人にとっては自分が所属する会社になりますが、そこで一目置かれる存在になりたいと思うのなら、継続的な努力を続けましょう。自己成長は以前よりもより自己責任の時代になりました。