今回は大学生のうちに不動産鑑定士試験に挑戦するメリットについてです。
不動産鑑定士試験には、学歴要件や年齢要件などの受験資格がないため、所定の手続きを踏んで受験料を支払えば誰でも受験可能です。そのため、大学生でも受験可能です。
まず私が記載したいことは、もし大学生の方でこの記事を読まれている人がいるとして、不動産鑑定士の試験に挑戦しようか迷っている、あるいは受験を考え始めたという方がいれば、是非受験勉強を始めてください。
大学生の時はお金はありませんが、これほど勉強に時間を費やせる時は人生の中でこの時だけと言っても過言ではありません。
合格すれば人生の幅はものすごく広がります。
ではさっそくですが、不動産鑑定士試験を大学在学中に受験するメリットはなんでしょうか?
私は不動産鑑定士試験合格後、実務修習を経て鑑定士になりましたが、その実務修習の集合研修で出会った人の中に大学生時代に合格された方がいました。信託銀行に勤務されていたその方の話では、大学生時代に合格するのは珍しいと思うが、同じ職場の同期にもう1人学生時代に合格した人間がいるとのことでした。
その方の話も踏まえて大学大学中に不動産鑑定士試験を受験することのメリットを記載していきます。
1.予備校の不動産鑑定士講座で割引を受けられる
まずはこれです。不動産鑑定士講座の最大手TACでは、学生割引ではありませんが、申し込み時点で25歳以下だと割引が受けられます。どの講座も10万円近く割引になります。
私が通ったLECも学生割引があり、短答+論文フルコースが25%割引になります。
大学生はお金がありませんが、予備校は絶対に通うべきです。受講料をケチって遠回りをしてしまうと、せっかくの時間を無駄にしてしまいます。不動産鑑定士試験は独学で合格できるような試験ではありません。費用はアルバイトか、親に出してもらって下さい。親に借りても良いでしょう。遊びに使うのではないので、決して無駄にならないお金です。
2.勉強時間が確保しやすい
これは非常に大きいです。社会人で勉強をする場合は仕事や家庭との両立が必要となりますので時間の確保が最大の悩みとなりますが、大学生は大学の講義やアルバイト等の時間を除けばほぼ自由に使える時間となりますので、合格の目安と言われている2,000時間以上の勉強時間も自分の覚悟次第で確保できます。
大学生のうちは感じないと思いますが、社会人になると本当に時間がありません。
大学生の内に不動産鑑定士の受験勉強を始めるなら、在学中での合格を目指すべきですが、もし合格できなくても、大学生の内に勉強したことは決して無駄になりません。合格できない状態で社会人になったとしても、他の社会人受験生とスタートラインが違います。これはものすごくアドバンテージになります。
3.就職活動に極めて有利にはたらく
これは合格していればの話になりますが、不動産鑑定士試験に合格して不動産業界や金融業界で就職活動をすると、他の学生よりも圧倒的に有利です。
採用する側からすると、不動産の基礎知識があることが分かりますし、本当に不動産業界、金融業界に就職する意志があることも分かります。そもそも就職活動をしている大学生で予め業界を絞って就職活動をしている学生は少数派で、とりあえず業界を絞らず大企業を回っている学生が大半です。そのため、これだけ新卒採用が売り手市場になると、採用する側も内定をだしても本当にきてくれるのか?と不安になります。
また試験に合格することができるだけの地頭の良さや、忍耐力、継続力を有していることも明らかですので、優先的に採用したいと思われて当然です。おそらく、就職活動をする学生で不動産鑑定士試験に合格している学生は毎年最大でも5人程度ではないでしょうか。何十万人の学生が就職活動をする中で数人しかいない希少な存在ですので、引く手あまてです。
私が不動産鑑定士の実務修習で出会った信託銀行の方は、メガバンク、信託銀行、デベロッパーに絞って就職活動をしていたが、メガバンク1行から早々に内定をもらい(メガバンクは本命ではなかったため、1行内定が出た時点で他のメガバンクの選考を辞退したらしいです)、その後信託銀行2行からも内定をもらったため、その時点でデベロッパーを受けずに就職活動を終えたようです。今は大学生の就職活動において内定の出る時期がいつ頃からは分かりませんが、彼は3月中に内定が出たようです(普通ならようやくエントリーが始まる頃です)。
ちなみに、大手デベロッパーも魅力的な就職先なのになぜ受けなかったのか?と聞いたところ、当時拡大していた不動産の証券化にファイナンス面から関わりたかったが、デベロッパーではそれができないからだと話していました。信託銀行はその他にも仲介部門や信託受託部門、鑑定部門があることも理由のようでした。
以上が大学生で不動産鑑定士試験を受験することのメリットです。
上でも書きましたが、もし大学生で不動産鑑定士試験に挑戦しようか?と考えている方がいれば是非とも挑戦して下さい。