2.不動産管理会社
不動産管理会社とは、その名の通り賃貸物件の管理をする会社です。
賃貸用不動産については、所有者が自ら管理することも可能ですが戸数も多くまたやるべきことも多岐にわたるため、ノウハウのない(少ない)所有者が自ら管理をすることは実務上困難です。そこで不動産所有者に代わって不動産の管理を行うのが不動産管理会社で、不動産管理会社に委託する場合、当然ながら委託者である所有者は不動産管理会社に管理フィー(管理報酬)を支払うこととなります。
賃貸物件の管理には大きく分けて(1)賃貸管理と(2)建物管理があります。
(1) 賃貸管理(LM(リーシングマネジメント)とも言います)
賃貸管理はさらに①新規テナント(入居者)の募集、②既存テナント(入居者)の管理に分けられます。
① 新規テナント(入居者)の募集
空室が出た場合に、テナント(入居者)を集めるための宣伝広告活動を行うことを指します。またそれに付帯して、入居希望者の内見案内、入居希望者との賃貸借条件交渉、賃貸借契約手続き等も含まれます。
② 既存テナントの管理
テナントからの賃料回収(賃料の滞納があった場合の督促等)、日常のクレーム対応(水漏れや、騒音、設備の不具合等に対するテナント(入居者)からのクレームへの対応)、契約更新手続き・賃料改定交渉(賃貸借契約では通常契約期間が定められており(住居は普通借家契約の場合は2年が多い、定期借家契約の場合は1~3年が多い、オフィスや店舗は普通借家契約も定期借家契約も2~3年が多い)、その期間が満了した際に契約の更新手続きを行う業務で、この契約更新のタイミングで賃料の値上げや値下げ交渉が行われることが多い)等が挙げられます。
(2) 建物管理(BM(ビルマネジメント)とも言います)
建物管理は、賃貸管理がテナント(入居者)の管理であったのに対し、建物それ自体の管理を行うことを指します。具体的には以下のような業務があります。
① 建物の点検業務
外壁や屋上、共用部(廊下、階段、エントランス)、駐車場等に破損や不具合がないか点検する業務です。
② 設備の点検業務
エレベーター、受水槽、消防設備、非常用照明設備、防犯設備等の設備が正常に稼働するを点検する業務です。
③ 清掃業務
共用部(マンション等の住居系建物であればエントランス、廊下、階段等、オフィスや店舗であればさらに、トイレ、駐車場、給湯室等)の清掃を行う業務です。
④ 修繕計画の策定業務
日常修繕や大規模修繕の実施や修繕計画の立案を行います。
大規模修繕とは、マンションでいえば外壁やタイルの補修工事、シーリング工事(シーリング工事とは、建物の外壁ボードのつなぎ目や、外壁とサッシの隙間等を塞ぐ工事を指します)、防水工事、塗装工事等が挙げられます。オフィスビルや店舗ビルでいえば共用部分で、主に、外壁補修工事・防水工事・シーリング工事・鉄部塗装工事等が挙げられ、 また、電気設備、空調換気設備、給排水管設備などの更新工事もおこなう場合があります。