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地価

地価調査(2024.7.1)が発表されました その3

2024年9月17日、令和6年都道府県地価調査の結果が公表されました。

今回は全国の主要5都市について住宅地、商業地の価格1位の地点についてまとめました。

まずは住宅地から

主要5都市の住宅地でも価格(㎡単価)は東京の住宅地が圧倒的に高いです。

ただ、この価格についてみるときは不動産業界では当たり前なのですが、その地点の容積率についても考慮しなければなりません。

容積率とは、簡単に言うとその土地について、その土地の面積の何倍の面積の建物が建てられるかを現したもので、〇〇%で表します。

例えば500㎡の土地があって、その土地の容積率が400%だとすると、500㎡×400%で2,000㎡までの建物が建てられるのです(かなり単純化しております)。

そのため、例えば隣り合っている面積500㎡の2つの土地(A土地(容積率400%)とB土地(容積率500%))があったとして、ともに100万円/㎡で売りに出されているとすると、B土地を買ったほうがお得ということになります。

ですので、上記の通り地価公示や、地価調査で各地点の価格を見ていく場合ば単に㎡単価をみて安い、高いと判断するのではなく、容積率まで考慮した単価を見ていく必要があります。

そして、その容積率まで考慮した単価というものが、1種単価と呼ばれるものになります。この1種単価とは『容積率100%当たりの坪単価』であり、上記の500㎡、400%、100万円/㎡の土地があったとするとその1種単価は、

100万円/㎡÷0.3025÷400%=82.6万円(※0.3025で割るのは㎡単価を坪単価に換算するためです)

ということになります。

これを踏まえたうえで上記の表を見ていくと、名古屋の地価調査基準地(中-1)は㎡単価が1,750,000円で、大阪、札幌、福岡の地価調査基準地の㎡単価よりも高いのですが、1種単価に換算数すると実はそれほど高くないことがわかります。

それともう1点重要な視点ですが、各地価調査基準地の面積にも注意を払わなければなりません。面積の大小によって、それが戸建住宅用地なのか、賃貸マンション用地なのか、分譲マンション用地なのかが変わり、それが土地の値段に大きく影響するからです。

戸建住宅用地であれば購入者は通常は個人ですし、賃貸マンション用地であれば賃貸マンションを手掛ける不動産業者、分譲マンション用地であればマンションデベロッパーとなり、それぞれ支払うことのできる金額が異なり、それが土地の値段を左右するのです。

この点からいうと、大阪の地価調査基準地(天王寺-2)は119㎡で戸建住宅用地と考えられますから、この土地が売りに出た時の買主は個人で、そうすると119㎡で725,000円/㎡ですから、土地だけで約8,600万円、ここに建物を建てるなら総額で1億円以上となりますから、高級住宅地であることが想像できます。

なお、上記の1種単価という考え方は容積率をほぼ使い切る建物を建てる地域については有用な考え方ですが、この大阪の地価調査基準地(天王寺-2)のような戸建住宅地についてはあまり意味をなしません。なぜなら、戸建住宅地では容積率をほぼ使いきるような建物を建築することはない(あるいは行政法上の規制でそれができない)場合がほとんどだからです。

ですから、1種単価、土地の面積という点を踏まえて上記表を見ていくと、大阪の地価調査基準地(天王寺-2)は他の地点と少し毛並みが違うため単純比較はできず、北海道の地価調査基準地(札幌中央-5)も規模的には賃貸マンション用地と考えられるためこれも単純比較はできませんが、東京、名古屋、福岡の地価調査基準地はおそらくどれも分譲マンション用地と考えられるため、1種単価での比較が可能です。

そうすると、やはり東京の地価調査基準地は名古屋、福岡に比べて圧倒的に高いことがわかります。東京では23区内の新築分譲マンションの平均価格が1億円を超えていますが、やはりその分譲価格の上昇が土地価格に反映されています。特に東京の地価調査基準地(港-10)は、3A(スリーA、東京の高級住宅地である赤坂、青山、麻布を指す)の赤坂に設定されていますので、1種単価460万円というのもうなずけます。

一方で名古屋については、意外に安いなという印象です。1種単価で福岡より低くなっていますが、福岡の地価調査基準地(福岡中央-10)は人気の住宅地ではありますが、高級住宅地とまでは言えない地点ですので、そこと比べてもまだ安いということは、名古屋は分譲マンションの価格がそれほど高くないのか?という印象を持ちます。そもそもこの容積700%の商業地に住宅地の地点が設定されていることも珍しいなという印象です。

今回記載しました、1種単価と各地点の面積(その面積で建つ建物が変わってくるので)は、地価公示、地価調査の価格を見ていく際に重要なポイントです。

次回は商業地の価格上位について見ていきたいと思います。

 

 

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