人気ブログランキング

ビジネス・業界ランキング
ビジネス・業界ランキング

記事が良ければクリックご協力お願いします。

地価

地価公示(2025.1.1)の結果をわかりやすく解説 その1 変動率は拡大?それとも縮小?

2025年3月18日、令和7年地価公示の結果が公表されました。

 

国土交通省の発表では全体的な特徴として「全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が続いているとのこと。

 

コロナ禍後の外国人観光客の増加や再開発等の影響を受けてる地域は大都市圏、地方都市圏に関わらず地価上昇が継続していますが、そのような要因のない地域では引き続き地価下落が継続しています。

 

また上昇は継続しているものの、建築費の高騰や地価が既に高値圏にあるため上昇率が鈍化する地域も出ており、さらに今後は金利上昇、貿易摩擦による景気の減退懸念もあるため、半年後(2025.7)の地価調査での地価の動向が注目されます。

 

以下は三大都市圏の東京23区、大阪市、名古屋市及び地方4市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)の住宅地、商業地、工業地の平均地価変動率です。

 

 

札幌市は2023年(令和5年)より徐々に上昇率が縮小しており、仙台市、名古屋市、広島市、福岡市はほぼ同程度の上昇率、東京23区、大阪市が上昇率を拡大させています。

 

東京23区は渋谷駅周辺での再開発期待による上昇、インバウンドの増加による浅草周辺の上昇が特徴的でした。

 

大阪市の引き続き多いインバウンドの影響が大きいと考えられます。特に大阪は間もなく万博が開催されるため、それを目的とした国内外からの宿泊需要が高まることが期待され、さらに観光客増による物販、飲食需要の高まりも期待されます。また大阪はJR大阪駅周辺での再開発による賑わいの向上も地価押し上げの要因となっているようです。

 

これまで長く高い上昇率をつけていた福岡市も今回上昇率が鈍化しました。福岡市は地方都市の中では上昇率が高く非常に元気な都市ですが、天神ビックバン、博多コネクティッドと称する福岡市中心部での再開発で今後もオフィスが大量に供給されており、博多エリアは未だ供給が少ないため空室率も低水準にとどまっていますが、天神エリアでは空室率が上昇しており、再開発ビルの賃料の目安である坪3万円をテナントがどこまで受け入れるかが今後の空室率に影響しそうです。長く空室が続くと、オーナー側としても賃料を下げざるを得ず、そうなると採算性が悪化するため(土地の取得費用や建物の建築費に対して見込まれる収入(賃料)が下がると、事業採算性が悪化する)、新たな開発ができなくなり、その結果土地の取引も鈍化するあるいは土地価格が下落するということも考えられます。

 

住宅についても、福岡の新築マンションは販売価格が相当に高くなっており、地元の一般的な所得水準の方では手を出しにくい価格水準となってます。そのため地元の購入者は、両者が高収入のダブルインカム世帯、東京の富裕層(セカンドハウスとして)、また最近では中国、台湾等アジアの方々も購入者として挙げられますが、やはり地元の人間が手の届かない水準になっているため、販売が鈍ってきているという話も聞かれるようになりました。こちらも今後の動向が気になるところです。

 

また上昇率上位や価格上位、またここでは触れなかった各エリアについて次回以降触れていきたいと考えております。

にほんブログ村

にほんブログ村 資格ブログ 不動産・建築系資格へ
にほんブログ村

クリックが励みになります。

-地価
-,